健康診断でコレステロールや中性脂肪の数値を指摘されても、何がどう良くないのかまではよくわからないままになりがちです。この記事では、血液検査で見るHDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の3つについて、それぞれが何を意味しているのかを整理しています。
あわせて、数値が高いとどんなリスクにつながるのか、食事で見直したい脂の種類や食物繊維の取り方、運動の考え方までまとめました。脂質異常症をなんとなくで済ませず、普段の生活で何を変えていけばいいのかが見えてくる内容です。
コレステロールと中性脂肪は、なんとなくで済ませない方がいい

一般的に、コレステロールが高いものってあんまり食べたらあかんねんやろなぁとか、中性脂肪は増えすぎたらあかんねんやろなぁとか、なんとなくはわかってると思うんですけど、この際ちゃんと知ってほしいです。
健康診断で「コレステロール値がちょっと高いですね」とか、「中性脂肪がちょっと高いですね」って言われたら、なんか良くないのはわかるけど、何をどうしていいのかわからないまま、脂質異常症の薬をなんとなく飲んでます、っていう方も多いと思います。
でも、これって見逃していいことじゃないんですよね。入院の時に「特に病気ありません」と言われていても、脂質異常症の薬を飲んでいたら、看護師からすると「あれ、コレステロール高いんやん」って思うわけです。
だから今回は、コレステロールや中性脂肪が高いと何がダメなのか、どういう意味なのか、どうしていったらいいのかを、ちゃんと整理していきます。
血液検査でまず見るのは、この3つ

コレステロールが高いねとか、中性脂肪が高いね、お薬飲んだ方がいいよ、なんて言われる時って、必ずその前に血液検査をしているはずなんですよね。できたら今から3カ月以内に採血された方は、そのデータを見ながら読んでほしいです。
コレステロールの話で見る数値は、主に3つあります。
HDLコレステロールは、いわゆる善玉
1つ目はHDLコレステロール。これは善玉コレステロールです。よし、善い玉と書きます。わかりやすいですよね。
このHDLコレステロールは、文字通り「いいコレステロール」です。血管の壁に積み上がった、いらないコレステロールを回収してくれます。後で出てくるLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールを片づけてくれる役割ですね。血管が詰まらないようにしてくれる、いわば業者みたいな感じです。ゴミを集めてくれる人。
だから、HDLコレステロールは低ければ低い方がいいわけではありません。むしろ高ければ高い方がいいんです。掃除してくれる人がいっぱいいる方がいいからです。
「コレステロールが高いのは良くない」とひとまとめに思われがちなんですけど、このHDLコレステロールに関しては高い方がいいです。低いとゴミ処理ができずに、血管の壁に悪玉コレステロールが溜まっていく、ダメな状態になっていきます。だいたい40mg/dL以上が目安です。
LDLコレステロールは、いわゆる悪玉
2つ目がLDLコレステロール、悪玉コレステロールです。もうLDLとか言わずに普通に悪玉だけで言ってほしいって感じなんですけど、これがいわゆる注意したい方ですね。
LDLコレステロールは、たとえるなら船みたいな感じです。背中にコレステロールを乗せながら、血管の中をふよふよ動いていきます。コレステロール自体は、もともとホルモンを作る材料になったり、細胞膜を作るもとになったりするので、完全にいらないものではないんですよね。だからLDLはせっせと運んでるわけです。
ただ、このLDLが増えすぎると、船ばっかりになるんですよ。運ぶもんがないのに、船だけ増えて、言うたら波止場に船が何本も停滞してる状態。血管の中でこのLDLの船が溜まりまくって、渋滞みたいになってきます。
そうすると、LDLコレステロールが血管に沈着して、ぴとーっとひっついてきます。これによって血管がカチカチになって、動脈硬化に近づいていくわけです。そこでHDLコレステロールが、いらない船を回収していってくれる、という役割になるんですね。
だからこのLDLコレステロール、悪玉コレステロールは高ければ高いほどよくないです。 なぜかというと、この先、血管が詰まって、脳梗塞や心筋梗塞の可能性が上がるからです。正常値の目安は60〜119mg/dL程度です。
中性脂肪は、エネルギーの貯金
3つ目がTG。なんやねんTGって感じなんですけど、中性脂肪のことです。中性脂肪っていう名前だけで、なんとなく良くないイメージあると思います。そこは合ってます。良くないです。
ただ、この中性脂肪って、人間の昔からの性質がそのまま残ってるところでもあるんですよね。人間って、食べ物がなくなった時に備えて、どこかにエネルギーを溜め込んでおかないといけなかったわけです。その貯金みたいな役割をしているのが中性脂肪です。
必要以上に糖質などのエネルギーを摂った時、体はそれを倉庫に蓄えます。ここでイメージするとわかりやすいのが、「財布」と「倉庫」です。財布みたいにすぐ使える分と、銀行口座みたいにまとめて預けてある分がある感じですね。
財布の方は、ちょっと運動した時とか、ちょっといつもより激しく動いた時に、「はい、すぐエネルギーにしなさい」って出せる分。でも、あまり量は持てません。もっとたくさん余ったエネルギーは、倉庫とか銀行口座みたいな方に預けておく。それが中性脂肪になっていきます。
ただ、預けっぱなしになって、なかなか取りに行かないと、そのエネルギーが中性脂肪として血液を流れ、皮下脂肪や内臓脂肪になったり、さらに悪玉コレステロールを増やす方向にも働いてしまいます。
これに関しては、多すぎても少なすぎてもダメです。少なすぎたらエネルギーの貯蓄がないので、今日食べた分が切れたらすぐガス欠になってしまいます。だから多すぎもダメ、少なすぎもダメ。だいたい30〜149mg/dLが適していると言われています。
数値が高いと、何がまずいのか

健康診断の数値、どうでしたか。
もちろん、1だけ上回っていた、1だけ下回っていたから即ダメというわけではなくて、少しオーバーくらいなら「次の健診まで様子見ましょうか」と言われることも多いです。そういう人こそ、この後の食べ物の話はしっかり見てほしいですし、今は正常でも、40代くらいになってくるとだいたい皆さんコレステロール値は上がってきます。つまり、結局みんなに見てほしいってことなんですけど。
悪玉コレステロールが高すぎると、心臓病リスクが上がる
LDLコレステロール、悪玉コレステロールが160mg/dL以上ある人は、心臓病のリスクが2.6倍になります。180mg/dLを超えると、約5.7倍になるデータもあります。
中性脂肪が高すぎると、急性膵炎のリスクもある
中性脂肪も、300mg/dLを超えると心臓病のリスクが2倍になります。さらに500mg/dLを超えると、急性膵炎のリスクが出てきます。
急性膵炎って、お腹に激しい痛みが出て、膵臓が炎症して、放っておくと命に関わることもあるので、数値が明らかに高い人、逸脱しておかしい人は、必ず病院に行ってください。
コレステロールと中性脂肪を下げるなら、まず食事

コレステロールを下げる方法。手っ取り早いのは、やっぱり食事です。
まず、食べる量を摂りすぎないこと。そして朝食は必ず食べてください。朝食を抜くと脂肪を蓄えやすくなってしまうので、結果としてコレステロール値が悪くなりやすいです。
飽和脂肪酸は摂りすぎない
特に気をつけてほしいのが脂です。飽和脂肪酸を摂りすぎないこと。
飽和脂肪酸を摂ると、悪玉コレステロールが増えてしまいます。代表的な食べ物でいうと、ウインナー、ベーコンなどの加工肉、チーズ、バター、ドーナツなどです。
不飽和脂肪酸に置き換える
じゃあ、どういう脂がいいのかというと、不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は、血中のコレステロールや中性脂肪を減少させる方向に働きます。
たとえば、菜種油、オリーブオイル、マグロ、鮭、サバなどの魚ですね。
とはいっても、飽和脂肪酸を完全に取らないなんて無理な話なのは、私もよくわかってます。だから、お肉よりお魚の頻度を上げるとか、バターをパンに塗るよりオリーブオイルに変えてみるとか、そういう工夫をちょっとでもしていくのが大事です。
水溶性食物繊維をしっかり摂る
もう一つ食べた方がいいのが、食物繊維です。特に水溶性食物繊維を摂ってください。水に溶けるタイプのやつですね。
18歳から64歳までの成人で、男性なら1日21g、女性なら18gくらいの食物繊維が推奨されているんですけど、日本では平均14g程度しか摂れていないと言われています。つまり、そもそもみんな不足してるんですよね。
食物繊維がどれだけ体にいいかというと、コレステロールから作られる胆汁酸を体の外に出して、コレステロールの数値を下げる働きがあります。
では、どうやって水溶性食物繊維を摂るか。手っ取り早いのは、玄米、麦ごはん、胚芽米など、お米を変えることです。あとは海藻。乾燥わかめを戻してサラダにして食べるでもいいし、きのこも取り入れやすいので、試してみてください。
運動は、やっぱり外せない

食べ物以外の話で言うと、もちろん運動です。ここはやっぱり入ってきます。
ウォーキングやスイミングみたいな有酸素運動は、LDLコレステロール、悪玉コレステロールを下げて、HDLコレステロール、善玉コレステロールを増やす役割があります。なので、ぜひ運動は取り入れてほしいです。
推奨されているのは1日30分程度の運動なんですけど、これ、かなりハードル高いのもすごいよくわかってます。だから、5分からでもいいです。ちょっとでも運動してみる。それだけでも何もしないよりは全然いいです。
仕事帰りに一駅歩くとか、車で行っていたところを自転車に変えてみるとか、ストレッチだけでも呼吸を意識してやってみるとか。ほんまに何か一つでもいいので、やってみてください。
一気に変えなくていいから、小さく続ける

以上が、コレステロールと中性脂肪を落としていくための考え方です。
コレステロールを改善しようと思っても、一時的に何かをやったところで一瞬で変わるものではないんですよね。継続して、体をちょっとずつ変えていかないと効果は出ません。
だから、コンビニでいつもは明太子おにぎりを選んでたけど、今日は鮭にしてみようとか、いつもは食パンやったけど全粒粉のものに変えてみようとか、今日は玄米にしてみようとか、本当にそういう小さな変化でいいと思うんです。
ただ何もしないよりは、必ず体にとって意味があります。 次にスーパーに行った時、コンビニに行った時、どこかで何か選ぶ時に、この話を少しでも思い出してもらえたら、それだけでも十分大きいです。
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