手術前に行う「剃毛」と聞くと、何のためにするのか、どこまで剃るのか、どんなふうに行うのかが気になる方も多いと思います。特に下半身に関わる場合は、恥ずかしさや不安を感じる人も少なくありません。
この記事では、剃毛の目的や実際の方法、どの範囲まで行うのかを看護師の視点で整理しています。患者さんが気になりやすい「処置中の看護師の気持ち」や、事前に確認しておきたいポイントにも触れながら、手術前に知っておきたい内容をわかりやすくまとめています。
剃毛とは何か、まずはそこから

手術前の下半身の剃毛の時、思わず反応してしまう男性っておられるんですよね。きゃー。
こんにちは、看護師ぐらしです。今日は剃毛についてお話ししていきたいと思います。
「剃毛って何?」とか、「え、毛を剃るってこと?」とか、いろいろ思うと思うんですけど、本当にその言葉の通り、毛を剃ります。
「え、なんでなん、怖っ、意味わからへん」って思うと思うので、その目的とか、どこを剃るのか、どんなふうに剃るのか、その時の看護師の気持ちなどをお話ししていきます。
剃毛をする目的と、どこまでどうやるのか

剃毛の目的は、手術部位を清潔に保つこと
まず目的なんですが、基本的には手術の前、手術部位を清潔にするために剃毛をさせてもらいます。
簡単に言ったら、手術の時って消毒液をバーッて使うんですよね。ドラマとかでもイソジンをバーッとかけてますよね。その時に毛がもじゃっとあったら、消毒液がしっかり皮膚にひっつかなくて、手術する部分が清潔に保てない。だから剃毛をさせてもらう、ということになります。
カミソリではなく、サージカルクリッパーを使う
じゃあ、どんなふうにするのかですが、手術の前の日にさせてもらうことが多いです。病棟の中に処置室っていう個室みたいなお部屋があるので、そこでさせてもらう場合が多いかなと思います。
「カミソリで剃るってこと?」って思う方もいると思うんですけど、使うのはサージカルクリッパーっていうやつです。なんやねんそれって思うと思うんですけど、電気シェーバーみたいな感じですね。刃の部分が付け替え可能で、1回1回捨てられるものなので、「前の人が剃ったやつで剃られるのめっちゃ嫌」とか、そういう心配はなしよ、っていうやつです。
なんでカミソリを使わないかというと、カミソリを使うことで、目に見えない無数の傷がついてしまったり、目に見えて本当に皮膚を損傷してしまったりする可能性があるんですよね。
で、なんで皮膚が傷つくとダメかっていうと、手術をする大事な皮膚は清潔に、きれいにしておきたいのに、前日に毛剃りをして傷がついたことで、ばい菌が入って膿んじゃったりしたら、もうそれで手術延期になっちゃうんですよ。そんなことになったらダメだということで、サージカルクリッパーを使っています。
剃毛はどこまでやるのか
これは手術の術式とか場所によるんですけど、たとえば盲腸ってよく聞きますよね。盲腸やったら、胸の下から恥骨まで剃ることになります。
恥骨ってどこやねんって思うんですけど、だいたいおへそから指10本分ぐらい下の場所ですね。ちょっと個人差ありますけど、それぐらい下の方です。
それプラス、手術の時って対極板っていうやつをつけます。だいたい手術では電気メスを使うので、対極板をつけて電流を分散させる、みたいな感じですね。
で、その対極板をどこに貼るかっていうと、だいたい太ももの前側に貼ることが多いので、そこに毛がもじゃもじゃってある人は、その対極板の分も剃毛させてもらいます。
どちらか片足側だけでいいんですけど、まあそれもなんか変やけどね。手術終わった後見たら、片側だけ毛ない、みたいな。まあ、そういう感じで取らせてもらいます。
剃毛している時、患者さんはどう感じていて、看護師は何を考えているのか

患者さん側は、恥ずかしい人もいれば、自分で剃ってくる人もいる
患者さん側からすると、「えっ、剃毛すんの、いやいや」って思う人もいるし、「あ、剃毛ね、すると思ってました。何やったらもう自分で剃ってきました」みたいな人もいるんですよね。
まあ、そういう人に限って剃毛いらん術式やったりするんで、逆にごめんっていう時もあるんですけど、剃毛する時はできるだけ恥ずかしくないように、プライバシーに配慮して、もちろん処置室でさせてもらいますし、バスタオルも使って隠せるようにはしています。
男性が反応してしまうこともあるけど、看護師は淡々と対応している
ただ、やっぱり下の毛の方を剃ることが多いので、その時は男性の方、気になるかもしれません。反応してしまう人もおられます。
そういうことは自然現象なんで、「すいません」みたいな感じで言ってくれるんですけど、こっちも「全然全然」みたいな感じで、さーっと終わってます。
で、その時、実際私がどう思ってるのかって言うと、ほんまに何にも思ってない。何にも思ってないシリーズですよ。何やったらもう、明日の手術のことしか考えてないんで、「問題なくしっかり剃毛して、明日手術、清潔に無事に終わりますように」っていうことしか考えてないです。
逆に、その反応してることに関して、私が「あ、大丈夫ですか、すいません」みたいに言ったり、慌てたりすると、患者さん自身も恥ずかしさが増してしまうと思うので、そこは冷静に、普通に対応させてもらってます。
剃毛が必要かどうかは、事前に確認しておいた方がいい

ここまで剃毛についてお話ししてきましたけど、イメージと比べてどうでしたか。
昔と比べると、剃毛が減っている病院もあります。なので、「剃毛いると思って、あらかじめ剃ってきました。でも剃毛いらんかったです」みたいな、ちょっと気まずいことにならへんように、外来で手術予約した時に、「剃毛とかあるんですか?」みたいな感じで看護師に聞いてもらったらいいかなと思います。
外来の看護師が「ありますよ、病棟でやりますよ」って言ったら、剃毛するかもしれんなって思っておいてもらったらいいし、「剃毛ありませんよ」って言われたら、そのままでいい。
そうやって事前に確認してもらえたら、悲しい間違いは起きないと思いますので、ぜひ声をかけてもらえたらと思います。
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