入院中は不安や痛みがあって、つい気持ちが強く出てしまうこともあると思います。ただ、その中でも看護師が特につらいと感じやすい言動があります。この記事では、自分が特別で一番でないと気が済まない態度や、クレームにつながりやすい場面、そして看護師を深く傷つけるセクハラについて、実体験をもとに整理しています。
あわせて、すぐに対応できない時にナースコールをしてほしい理由や、大部屋と個室の違いで起こりやすい誤解についても触れています。患者さんへの不満をぶつけるためではなく、看護師も傷つきながら働いていること、心ない言葉や行動が強く残ることが伝わる内容です。
こんな患者さんは、やっぱりしんどいと思ってしまう

今日お話しする内容は、私の看護師人生の中でもかなり忘れられない出来事です。
触ってもらっていいですか、とか、性処理してもらっていいですか、みたいな言葉とかね。なんか、看護師ってこんなこともしなあかん……って思ったことがありました。
今回は「こんな患者は嫌われる」についてです。ただ、先に言っておくと、これは患者さんへの苦情を言いたい動画ではないです。本当にこんな思いをしてでも頑張ってるし、看護師に対してあんまり心ない言葉とか、心ない行動とかはやめてほしいな、っていう話につなげたくて話しています。
自分が特別で、一番じゃないと気が済まない人

まず1つ目は、自分が特別で、一番じゃないとダメな人です。
もちろん、しんどいことはわかっています。治療を受けに来ているわけですし、不安もあるし、痛みもあるし、元の暮らしに戻れるかどうかも含めて、精神的に余裕がない状態だというのは、私たちもわかっています。
私たちだって、一人ひとりにたくさん時間を使いたいし、どの患者さんのところにも何回も行きたいって思ってるんですよね。でも実際は、一人の看護師に対して患者さんは一人じゃないので、何人かの患者さんの中で優先順位を決めて回っていくしかないんです。どんな仕事でもそうやと思うんですけど、優先順位ってどうしてもついてしまいます。
どうしてもすぐ行けない時がある
実際にあったのが、本当に忙しい1日で、座る時間も全然ないし、お昼ご飯も10分で食べなあかんぐらい激務の日がありました。その日に受け持っていた患者さんの中で、真ん中よりちょっと後ろぐらいの優先順位の患者さんのところへ、朝の検温に行けたのが11時前ぐらいやったんです。
「失礼します」って入ったら、開口一番、
「なんでこんな時間に来るの? 朝ごはん食べて、ずっと待ってたのに、全然来んへん。やっと来たと思ったら、もう11時や!」
って、すごい勢いで言われました。何をしててん、人の時間を何やと思ってるんや、人を待たせて、いつ来るんか、いつ来るんかと思って待ってたらこんな時間や、って。
人の時間を奪ってしまったのは本当に申し訳ないし、そこはすいません、って思うんです。痛みとか不安とか、いろんな話も聞きたい。でも、その方はその時間まで待たされたことにすごく興奮されていて、謝っても全然受け入れてもらえない。
申し訳ございませんでした、次から気をつけます、で、「お熱計らせてもらっていいですか?」に持っていきたいけど、そこに行けないんですよね。怒っていて、興奮していて、何も許してくれないから。だからといって、「じゃあまた後で来ますね」も、その人からしたら違うやんか、ってなる。
そうしてる間にも、優先順位がもっと後ろの人のところには、当然もっともっと行けてないわけです。11時の時点でその人の部屋に行ってるんやから、それより後ろの人はさらに遅くなってしまう。許してもらえなかったら、なかなか部屋も出られへんし、っていう。
不安や痛みがあるなら、ナースコールしてほしい
これは言い訳かもしれないですけど、もうどうしようもない時って本当にあるんです。本当に部屋に行けない時があります。
だから、その時に不安やったとか、痛かったのに来てくれへんかったとか、そういうことがあるなら、それはもちろん言ってほしいです。でも、「こういう事情があって来れなかったんです、すいません」って言った時には、怒る気持ちがあるのは仕方ないとしても、ある程度は許してほしいっていうのはあります。
どうしても何か伝えたいことがある場合は、ナースコールしてください。ナースコールをしてくれたら、優先順位が上がるというか、一回顔を見に行けるので。そこは本当にお願いしたいです。
クレームというより、不安から来る訴えはある

2つ目は、クレーマーな人です。
ただ、何回も言ってますけど、治療をしに来ているわけなので、病気を言われて不安、治療も不安、入院生活も不安、退院できるかも不安、っていうのがある。先生の説明も聞きたいし、看護師の説明も聞きたいし、受付で保険やお金の話も聞きたい。全部不安やから聞いてるのに、思ったような答えが返ってこない時に、「いや、ちょっと思ってるんと違うねんけど」って気持ちになるのは、当たり前のことやと思っています。
だから、そういうのを言ってくれること自体はクレームとは思ってないです。看護師って患者さんの部屋に行く機会も多いので、どうしても窓口になってしまうのは仕方ないことやと思っています。
大部屋のしんどさは、実際すごくわかる
よくあるのが、大部屋問題です。私も入院で大部屋に入ったことがあるけど、大部屋って本当にすごいんですよ。他の人の音とか声とか、いびきとか、暑い寒いとか、そういうの全部気になってしまう。
治療そのものに直接関係あるかと言われたら微妙やけど、でも入院中のつらさとしては、本人にとってはすごく大きいんですよね。
たとえば、「他の患者さんのいびきがうるさい」って言われた時。いびきを止めることはできないので、「個室に移動しますか?」って提案することになります。で、「移動します」ってなる。でも、個室代って一泊5000円から1万円、高いところやと3万円から5万円ぐらいすることもあります。
そこで、「お金かかるんですけどいいですか?」って言うと、「いや、前は無料でしたよ」みたいな話になることがあるんです。
個室は、患者さん希望だとお金がかかる
もちろん無料になる場合もあります。病院側の都合で「個室しか空いてなくて」とか、「治療上どうしても個室に入ってもらいます」っていう時は、個室代がかからないことがあります。
でも、いびきが気になるから移動したい、みたいな場合は患者さん希望の移動になるんですよね。そうなると、お金がかかります。
そこで「私、保険1割負担なんで」と言われることもあるんですけど、個室代は医療費に含まれないので、そこには1割負担も3割負担も関係なくて、全額自己負担なんです。
そこですごく激怒される患者さんもいます。 気持ちはわかるんです。でも、そこはもう制度上そうなっているので、飲み込んでほしいなっていうところです。実際、めちゃくちゃ怒って、事務のすごい怖いムキムキの男の人が出てこなあかんぐらい大暴れする患者さんもいました。
だから、本当にこれだけは覚えておいてほしいです。個室は、患者さん希望だとお金がかかります。
いちばんつらかったのは、セクハラをする人

3つ目は、セクハラです。
ここからの話は下ネタが入るので、不快に感じる方がおられたらごめんなさい。私もこの話をすると嫌な気持ちになるし、悲しい気持ちにもなるし、話すかどうか迷いました。でも、看護師人生の中で、あれを超えるセクハラはなかったと思うので、思い切って話します。
その患者さんは、下半身が不随で動かない、20代の若い男性でした。体もすごく大きくて、100キロぐらいある人。意識はしっかりしていて、自分のことも話せるし、考えられるし、年齢に合った受け答えができる感じの人でした。
車椅子には乗っていたんですけど、手すりがあればトイレにも行ける状態でした。ただ、おむつを使っていて、それも上げ下ろししやすいリハビリパンツじゃなくて、テープ式のおむつを使ってたんですよね。しかも持ち込みのおむつで、そのおむつしかないと言われたら、それを使うしかない。
でも、普通のトイレでテープ式のおむつを履くのってかなり大変なんです。しかも、その人のおむつ、100キロの体に合ってるサイズじゃなくて、すごく小さかったので、もう止まらないんですよ。
本人としては、「トイレはベッド上でするから大丈夫です」っていうことで、そのテープ式を選んでいたんですけど、便を出すのも難しい状態だったので、毎日浣腸して、ベッド上でおむつの中に大量に便を出して、それを毎日交換する、っていうケアになっていました。
こっちは何回も、「病院のリハビリパンツに変えて、トイレで便をしましょう」って提案するんですけど、すごい嫌がって、絶対ベッド上で、おむつの中で大量に便をする、っていう感じでした。普通の食事を食べてはるので、便の量も普通の成人男性、というか100キロの男性が出す量なんですよね。しかもおむつも小さいから、変えるのもすごい大変。洗う範囲が広いから。
生理的反応だけじゃなく、言葉でもセクハラしてきた
で、私がつらかったのは、その交換のたびに男性器がすごく元気な状態になっていることでした。
それ自体は人間としての生理的反応やから、仕方ないっていうのはもちろんわかってたし、最初はその人も恥ずかしいやろうなと思って、「全然大丈夫ですよ」みたいな感じで言ってたんです。
でも、その人は言葉でもセクハラしてくる人で、「今日も交換してもらっていいですか」とか、「触ってもらっていいですか」とか、「性処理してもらっていいですか」とか、そういう言葉をかけてくるようになったんです。
私、1年目やったんで、それがめちゃくちゃショックで。看護師ってこんなこともしなあかんのか、って。もちろん性処理なんて全くしてないです。でも、そんなことを言われても耐えなあかん仕事なんか、っていうのが本当にショックでした。
チームの空気もあって、逃げられなかった
しかも、病棟の中でチームが2つに分かれていて、私はAチーム側でした。ナースコール自体はどっちのチームにも鳴るんですけど、Bチームの人がナースステーションにいても、「Aチームのナースコール鳴ってんで」みたいな感じで、全然取ってくれないんですよね。
で、その患者さんの浣腸が終わった時間ぐらいのナースコールが鳴ると、Bの人は絶対取ってくれない。だから、自分が担当の日じゃなくても、自分が取る確率がすごい高くて、今日担当じゃないのに、また浣腸後のおむつ交換をしなあかん、っていうのを、その人が退院するまでずっとやり続けていました。
そのたびに男性器はずっと元気な状態になってるし、おむつも元々サイズが小さいし、正直もう締まらないんですよね。どうしたらいいの、って感じでした。
先輩に言っても、「まあそれは生理的反応やからしょうがないからね」って言われる。でも、こっちは言葉のセクハラも受けてるから、すごい精神的にしんどくて。情緒不安定になって泣いてしまったり、帰り道に泣いたり、っていうことがありました。
本当にあれはトラウマでした。
看護師へのセクハラは、本当にやめてほしい
だから、看護師にセクハラは本当にやめてほしいです。仕方ない部分があるのももちろんわかってます。でも、普通の浣腸後の便処理とか、おむつ交換とか、そういうケア自体は全く嫌じゃないんです。そこは本当に勘違いしないでほしいです。
私がしんどかったのは、大元にセクハラがあって、そのうえで、トイレに行けるのにそういうやり方を選んでいて、その交換を毎日続けなあかんっていう状況そのものだったんです。
心ない言葉や行動は、本当に傷になる

以上が、「こんな患者は嫌われる」です。
もしかして、この話を聞いて不快に感じる方がおられたら本当にすみません。でも、私の中でも一生忘れられないことなんです。特に3つ目は、もう多分死ぬまで忘れないと思います。それくらいつらかったことでした。
セクハラって、された方の心を本当に傷つけるし、消えない傷になってしまうことがあります。
だから、そういうことは本当に控えてほしいです。
看護師って、ただ業務をこなしてるだけに見えるかもしれないですけど、その中でちゃんと傷ついたり、耐えたりしながら働いています。だからこそ、心ない言葉とか、心ない行動はやめてほしいなって思います。
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